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4. ダブルバインドから抜け出すための「3つのステップ」

この苦しい状況から抜け出すために最も大切なのは、「真面目に相手をするのをやめる」ということです。

矛盾したことを言う相手に対して、「どうすれば正解なんだろう?」と真剣に悩み続ける限り、このゲームに終わりはありません。以下の3つのステップで、心を守るバリアを張りましょう。

ステップ①:「これはダブルバインドだ!」とラベルを貼る

最悪なのは、わけがわからないまま「私が悪いんだ」と思い込むことです。 相手が矛盾したことを言ってきたら、心の中でこう叫んでください。

「出た! 今これ、ダブルバインドだ!」

心の中で状況に名前をつけるだけで、自分と相手の間に境界線が生まれます。「私の能力不足」という問題から、「相手のコミュニケーションの問題」へと、問題の所在を切り離すことができます。

ステップ②:相手の矛盾を「バグ」として見る

ダブルバインドを仕掛けてくる相手(上司や親)は、実は相手自身も混乱していることが多いのです。 彼らは自分の中の不安や矛盾を処理できず、それをあなたに押し付けてしまっているだけなのです。

  • 「あ、この人、今プログラムのエラー(バグ)を起こしているな~」

  • 「アクセルとブレーキを同時に踏んで、パニックになっているのは相手の方なんだな~」

そうやって、少し高い視点から「観察」してみます。相手の言葉を真正面から受け止める必要はありません。

ステップ③:土俵から降りる(反応を変える)

相手は、あなたがオロオロしたり、顔色を伺ったりすることを期待しています(無意識に支配しようとしてしまいます)。 ですから、今までとは違う反応を返すことで、その「呪い」のようなものを解くことができます。

  • スルーする力をつける:「そうですか」「なるほど」と、感情を込めずに事務的に受け流す。

  • 物理的に距離を取る:可能な限り接触時間を減らす。トイレに立つなどして、その場を離れる。

  • メタ・コミュニケーション(上級編): 勇気が必要ですが、「『自分で考えろ』とおっしゃいましたが、自分で考えると怒られるので困っています」と、矛盾そのものを指摘する方法です(※相手との関係性によりますので、無理は禁物ですよ)。

5. あなたの心は、誰にも支配させなくていい

ダブルバインドの渦中にいると、まるで出口のない迷路にいるような気分になります。 でも、その迷路の壁は、実は「相手が勝手に作ったもの」に過ぎません。

あなたがその矛盾に合わせる義務や義理はないのです。

「何をしても怒られるなら、せめて自分の心が一番楽な方法を選ぼう」 そうやって開き直ることができた時、ダブルバインドの効力は消え失せます。

あなたは、誰かの矛盾を受け止めるためのゴミ箱ではありません。 どうか、あなた自身の感覚を信じてあげてくださいね。

6. 「頭ではわかるけど、体が動かない」という方へ

ここまで、ダブルバインドから抜け出すための心の持ち方(3つのステップ)をお伝えしました。

でも、中にはこう感じた方もいるかもしれません。

「頭ではわかっているんです。でも、いざその場になると、どうしても体がすくんでしまうんです……」

もしそう感じても、自分を責めないでください。それは、あなたの意志が弱いからではありません。 ダブルバインドの恐怖が、「トラウマ」として無意識(身体)に深く刻み込まれてしまっているからです。

理不尽な攻撃を受け続けると、私たちの心は防衛本能として、考えるよりも先に「フリーズ(硬直)」する癖をつけてしまいます。これは生存本能なので、気合や根性だけで解除するのはとても難しいことなのです。

無意識の「ブレーキ」を外していく『FAP療法』

「理屈はわかるけど、どうしても恐怖が消えない」 「親や上司の顔を見ると、動悸がして言葉が出なくなる」

そんな、根深いダブルバインドの影響から自由になるために、私がカウンセリングで取り入れているのが「FAP療法(短期心理療法)」です。

FAP療法は、無理に辛い過去を掘り下げたり、長時間語り続けたりする必要がありません。 あなたが意識できない「無意識」の領域にある恐怖心やトラウマに直接アプローチし、硬くロックされた心の鍵を優しく解いていく心理療法です。

  • 「何をしても怒られる」という恐怖の条件反射を消したい

  • 相手の顔色を伺う「クセ」を根本から手放したい

  • 言葉だけの理解ではなく、感覚として「もう大丈夫だ」と思えるようになりたい

そう願う方にとって、FAP療法はとても力強い味方になります。(FAP療法詳しくはこちら)

一人で頑張って「考え方」を変えようとしても限界がある時は、心の専門技術を頼ってください。 「あ、私、もう怖くないかも」 そんな風に、自然と体が軽くなる感覚を、一緒に取り戻していきましょう。


(まとめ)

前回(前回の記事)/今回の記事では、以下のポイントをお伝えしました。

〇苦しさの正体は「ダブルバインド(二重拘束)」

〇アクセルとブレーキを同時に踏まされているから動けない

〇解決策は「真面目に相手をせず、心の中でラベルを貼る」こと

「FAP療法」のご紹介