1.母娘関係は難しい、それは「トラウマさん」の影響なのかも?

 

親との関係性ってとっても難しいように思います。特に母娘は難しいです。同性なので、母親は自分の分身のように思っているのだと思います。もちろん、全ての母娘関係ではありませんが、私の母娘関係はそんな感じでした。

その母親から分離して自分の心地よい感覚を優先していくには、なかなか気合がいるものです。

それって母親に嫌われたくない、嫌われると生きていけないという幼少期の感覚が残っているからです。幼少期に求めた母親の愛情を得ることができないと、いくつになっても「無意識さん」のどこかで虚しさや空虚感に襲われ、それを埋めるために執着してしまいます。

母親から精神的に自由になれない場合は、母親の愛を得ることができず愛されていないという幼少期の「トラウマさん」の影響が残っているのかもしれません。

その感覚が無意識さんの奥深くに残っていると、大人になっても振り回されてしまいます。

つまり、親との関係性をベースにコミュニケーションの取り方を学んでいるため、親との関係性が上手くいかないと、他者との関係性に移し出してしまうからです。(「トラウマさん」の解消については「FAP療法」 詳しくはこちらをご覧になってみて下さい)

今日は、この難しい母娘関係(父親の方もいらっしゃると思います)で、楽になる捉え方、FAP療法の「発作」の概念をご紹介させていただきますね。捉え方ですので、今日から活用できます。

 

2.「発作」の概念とは

 

ここでの「発作」というのは、通常イメージされる「筋肉がけいれん」するまでの発作ではなく、誰しも体験している脳の電気発作のことを言います。

私達の脳は、軟らかいタンパク質のかたまりです。このタンパク質のかたまりは、脳全体で数千百億個もの神経細胞でできており、脳細胞は、電気信号を発してお互いに情報のやりとりをしています。

その電気は、静かに流れているといいのですが、ストレスなどの刺激で脳に帯電する場合があります。そこに限界を超えるストレス刺激があると「ビビビッ」といった感じで、電流を放出しちゃいます。その状態をFAP療法では「発作」と呼んでいます。

その発作にもいくつかあり「嫉妬の発作」「攻撃的な発作」「不自然に褒める」「退行(子供返り)」などがあります。そして、母娘関係や様々な人間関係で案外多いのが「嫉妬の発作」です。

母親に嫉妬されているということですが、母との関係性を振り返ってみて、どうして母親が娘に優しくなれないのか?と疑問に思っていらっしゃる方は、嫉妬なのかも?と解釈してみると合点がいったりします。

ここで嫉妬の概念について「自分より下の者が、自分より優れているものを持っている」と感じた時に起こると言われています。

母親になると母性本能で子供は可愛いものと思ってしまうと、あまり母親の愛情を感じない時「自分が悪いから母は私を愛してくれない」となりますが、嫉妬と思うと「ああー!そうか。母よりちょこっと優れているものがあるのかぁ?」と思えちゃいます。

嫉妬は本能ですので、母は「自分より優れているものを持っている」と、どこかで感じるのかもしれません。

しかし、人はそれぞれ得手不得手という特徴があります。母親が持っていないものを娘が持っていれば、娘がもっていない得意なところを母親が持っているものです。つまり、母親が自分に自信が持てず自己肯定感が低いことも考えられます。

母親自身が自分の良さを認め受け入れることができれば、自分にないものを持っている子供の優れたところを認め延ばしてあげることができます。あまり関係性が良くない母娘関係では、自己肯定感が低い母親だったということですので、あしからず(笑)

「嫉妬の発作」が起きると、攻撃的になったり完全に無視をしたりなどの反応になります。

突然「カァーッ」となってキレたり、いろいろ文句を言ったりします。その時、娘が母親のご機嫌を取れば取るほどエスカレートします。例えば「Aだと言っていたので、AにしたけどBでしょう」となり「Bにすると、Cでしょう」と「どないせーちゅうねん」と、ツッコミたくなります。

職場での関係性でもよくありそうですね。こちらも「嫉妬の発作」だと思います。

この「発作」を起こして攻撃的になっている時は、脳の電気放電状態で、本人の記憶が残っていないことが多いです。なので相手に「こう言いましたよね」とツッコミを入れても「はぁ?何を言ってるの」となります。

動物的な反応ですので、別に相手を混乱させる意識はなく、覚えていないことが多いため、言葉をそのまま受け取ってしまうとコミュニケーションが取れず、こちらが疲弊してしまいます。

私の場合、昔の職場で挨拶をしても「えっ聞こえなかった?いやいや、聞こえていましたよね。完全無視!」といった経験があります。その方は、能面のように無表情で会釈すら返してもらえませんでした。

その頃は「私、何か気を悪くするようなことしたかな?」とずっと悩み続けていました。大人しく目立たないようにしているので、笑顔で挨拶をして何で無視をされるのか理解できませんでした。

その職場を離れてからも思い出していましたが、(どんだけトラウマさんの影響があるねんといった感じです(笑))、FAP療法に出会い「発作の捉え方」を知ってからは、悩んで自分を責めたりせずにこの状態は「発作だったのね」と、とても気が楽になりました。(自分のせいにするのではなく、問題を外在化しオルタナティブストーリー(別のストーリー)を作ります)

 

3.トラウマの再上演に気付く

 

私の母はとっても感情的でカァーッとなることがあり、機嫌を損ねると無表情で近寄れない雰囲気を醸し出すタイプの人でした。

大人になった時、母親ではない別の人であっても、無表情の方がとっても苦手で恐れを感じていました。

先程お話させていただいたのですが、私は挨拶をしただけなのに無表情で無視をされると、思い当たることがなくても「自分が悪いんだわ。何がいけなかったんだろう。弱い人間だと思われている」と考えずっと気になっていました。この状態が「トラウマの再上演」です。

母親と違う人だとわかっていても似たようなタイプの人や状況になると、母親に対する反応と同じ反応になってしまうというものです。

そして、母親とは別の人なのにその人のことが浮かんできて、ずっと答えのわからないことを考えて頭の中が放電状態になってしまっていました。その状態は「私の発作」です。

相手が私の何かに反応をし嫉妬を感じて能面のような無表情になる反応は「相手の発作」です。

人間関係では、反応は個々に全く違ってきますが、ちょっとしたことがきっかけとなり、お互いに「発作状態」の反応を示すことはよくあると思います。

これは、無意識さんからの反応ですので気が付かないことが多いのですが、まず気付くことがポイントです。

ある意味、無意識さんが「トラウマの再上演」が起きていて、この人が私を無視するから私は恐れを感じているのではなく、幼少期の母親に愛されな感覚になっているから恐れを思い出して反応しているのだと教えてくれているのだと思います。

そして、相手の反応も同じように心の傷のようなものに触れています。双方心の傷に触れていますので、こちらから先に「一抜けた」と。

この人はきっかけに過ぎずこの人との間には、本来何の問題もないことに気付くと自分が反応しなくなり、相手も反応しなくなっていきます。

むしろ反応し合っている相手は、心の傷を負った者同士の戦友なのかもしれませんね。人にはそれぞれの事情があり双方に反応し合っていて、実に面白いものです。

日常の人間関係で上手くいかないと感じる場面がありましたら「発作状態の反応」と捉えてみて私のケースを思い出し参考にされてみてくださいね。