1. 人生思うように変えられない人は、幼少期が関係している?

 

私事ですが、幼少期から緊張の高い家庭で育ち、大人になっても緊張の高いストレスを感じやすい大人になりましたので、人生思うように変えられないと思っていまいた。

そうは言っても幸せな結婚相手にも恵まれて、かなり上手くいっている方ではあります。ただ、ストレス(3~4年前ですが、母親の介護関係のストレス)があると全身も重だるく何もやる気が起きないことがよくありました。

その後、4年程前に「トラウマさんの解消」に特化した心理療法「FAP療法」に出会い「トラウマさん」をどんどん解消することで、何もやる気が起きないといったことはなくなりました。

私の生い立ちは、両親共に再婚でしたので、母親が違う兄弟姉妹の末っ子として生まれました。兄、姉たちは8才以上離れていますので、とても可愛がってくれましたが、私の母親はそれを快く思いませんでした。

しかし、腹違いの姉妹がいなかったら楽しく遊んでもらうという経験がなく、もっと精神的に大変な人生だったと思います。

人は、無意識のうちに幼少期の環境に何とか適応しようと模索します。その中で、一番適切な方法を選択していきます。

私の場合は、どうも姉と楽しく遊ぶために母親に服従するような、母親の言うことを絶対と思い聞いて、合わせていくことを学んだようです。母が出かけると言うと行きたくないのに「一緒に行く」と付いて行き、怖い顔をしている母親をなだめるようにニコニコ笑顔でした。

本来、幼児期の子供が母親をなだめることなどできませんが、子供なりに必死だったのです。

その頃の生き方は、人生脚本として無意識さんにインプットされてしまいます。大人になり、もう母に服従しなくても自分の人生を生きれる時期になっているのに、その頃の感覚は抜けず、そのまま演じ続けてしまいます。

 

2. 幼少期に身につけた「人生脚本」とは?

 

その時に何とか生き延びようと模索した中から人生の脚本を描くといいます。人生脚本は、交流分析(創始者、アメリカの精神科医エリック・バーン氏「互いに反応し合っている人々の交流を分析する」)という心理学の概念の一つです。

交流分析中で、人生をドラマだという仮説を立てています。この人生ドラマには脚本のようなものがあり、人は、幼少期の環境から最善策を感じ取り描いていくというものです。その後もその人生脚本通りに生きていくことが多いです。

人生脚本はだいたい5~6才位までには描き終えるとされています。つまり、両親の影響を大きく受ける幼少期に、環境に応じての脚本を完成させるようです。

自分で模索した幼少期には、最善の生き方の選択だったのですが、大人になった時には足枷になってしまいます。もちろん、肯定的な環境で育った場合、自信に満ちた人生脚本になります。

私の場合は、ネガティブな方で「母親の顔色を伺っていつもニコニコしていよう」とか「成長せずに母から離れず、母の傍で合わせて生きよう」といった感覚です。

物心がついた頃のことですので非常に感覚的です。私が身につけたものは「周りの人の顔色を伺って合わせて生きる」という人生脚本となり、気を遣わなくてもいい気さくなお相手にも気を遣って疲れていました。

大人になり気を遣うことで却って上手くいかないことも出てきました。例えば、社会人として意見を求められた時、自分の意見を言わなければ何も考えていない人と思われて「卑怯だ」とも言われたことがありました。信用も失ってしまいます。

わかっていても、子どもの頃に学んだ感覚は、親に見捨てられては生きていけなくなるという感覚が残っていますので、なかなか手放しにくいものです。

しかし、まずは気付いていくことからですので「どんな人生脚本を描いているのだろうか?」と、ご自身で目を閉じて静かに呼吸を整えながら感じてみて下さい。

すると何となく「わかっていても変えられない」とか「わかっていても、また嫌なできごとを繰り返す」といったことがヒントになり、何となくの人生脚本が浮かんでくると思います。

3.「人生脚本」を見つけるヒントは「禁止令」

 

私たちは、幼少期の親との関わりで、言葉や態度、雰囲気といったもののメッセージを受け取ります。受け取ったメッセージから、子どもは生きるための脚本を感知します。

交流分析では、否定的で子どもの行動を制御してしまうメッセージを「禁止令」と言います。この「禁止令」には、様々なパターンがあります。

いくつかのパターンを参考のために書き出しておきますので、思い当たるものがないかチェックしてみて下さいね。言葉が否定的ですが、感覚的にしっくりくるものがあると、どんな人生脚本を描いたのかヒントになります。

【禁止令】

(1)存在してはならない

乳幼児期から、拒絶、虐待、存在無視、あるいは、両親の不和の原因が子ども側にあるような言動などから「存在してはならない」と言ったメッセージが養育者側から発信されて受け取ってしまう。

一般的にこのメッセージを受け取ると悲哀感や絶望感などの陰があったり、自分が他者にとって邪魔になると心の奥で感じ、相手との一体感が持てなくなってしまう。私は、この「禁止令」の影響も受けていました。

(2)男(女)であってはいけない

男:父親不在で男の子らしい遊びなどを通じて、男性的な役割を自然な形で、身に付けていく機会がなかった場合、大人になっても母親依存の感情が潜んでしまったり、異性との関係で、受け身的になってしまうなどの影響に現れることがあります。

女:親が長男を望むあまり、幼児期に「女の子でがっかりしたよ」とか「女はいつも損をするよ」と聞かされて育った場合など、勝気すぎて男性と闘争的な関係になりやすかったりする傾向があります。

(3)子どもであるな

子どものように楽しんではいけない。

両親、あるいはどちらかが人生の楽しみを怠惰と見なしたり、他人に頼ることのない超自立的な親からの影響を受け、楽しむことが罪のように教えられてしまう場合。

仕事中毒や自己犠牲といった生き方をしてしまうことが多い。児童期では、勉強ばかりして休み時間が落ち着かなくなったりする傾向もあったりします。

(4)成長してはいけない

大人になることを拒むピーター・パン。特別扱いを期待したり、依頼心が強くなってしまう。何年も留年を重ねたり社会人になる行動が取れなかったりする。母子密着が強く過保護・過干渉が見られることが多い。母子一体という思い込みができてしまう。

成長過程における親の拒絶などによる愛情喪失から、この事実に耐えられず幻想のなかで母子一体感を存続させようとしてしまいます。大人になっても母子一体感の幻想を無意識的に存続させようとし、周囲に合わせ過ぎてしまう。

「私の人生脚本の元になっているのが、成長してはいけないでした」

(5)成功してはいけない

「あなたは何をやってもダメね」「肝心なところで必ず失敗する」などの「禁止令」を受けて、大人になった時に自己破壊的な人生を送っちゃう。世間的に知られる業績を上げながら、女性関係がもとで全てを棒に振ってしまうなど。

他者からすると「ええー、何で?」と思うけれど、「禁止令」が入っているとやっちゃうのかなぁと思います。

(6)実行してはいけない

この「禁止令」は、親の「・・・できない」というメッセージが考えられてきます。「忙しくって食事の用意ができない」とか「遊んであげたいけど、用事があってできない」など、親が「しない」のに「できない」といった表現を使う場合。

影響としては、人生の重要な局面に立つ時、決断実行ができなかったり、新しい技術に接しても旧体制から抜け出せず、取り残されてしまったりするなど。

(7)重要な人物になってはいけない

「お前は子どもだから黙っていなさい」といつも自己主張を禁じられた場合、優秀な頭脳を持ちながら、劣等感に悩む。児童期には自意識過剰になってしまい、自信が持てなかったり、失敗を恐れて頭角を表せなかったり、仲間の手先になってしまったり。

他にもありますが7つ挙げてみました。(他の「禁止令」が気になる方は「交流分析、禁止令」で検索すると出てきます)それぞれ入り混じったりしながら、影響を受けているのかと思います。見当たらない場合は、親からの否定的な「言葉や態度」から感じ取ったものを想像してみて下さいね。

 

4. 見つけた「人生脚本」を手放し描きなおしてみよう

 

自分にとって好ましくない脚本であれば、その拘束のようなものを外して、好ましい人生脚本へと描き替えていきたいですよね。

次の課題は「何で?わかっているのに変えられないの?」ということになります。「無意識さん」に入っている感覚なので、意識で変えようと思ってみても難しいです。

力関係で言うと「無意識さん90%以上意識さん10%以下」だそうです。つまり、4歳のお子さんとお相撲さんが綱引きするようなものです。4歳のお子さんは勝てませんので、どうにもならない力関係が伝わると思います。

無意識さんのことなので無意識さんの力を使って連携し、もう自由に自分の人生を生きることを手伝ってもらいます。

【無意識さんを起動させていくには】

無意識さんを簡単に起動させていくには、呼吸法です。呼吸は、日頃は無意識にここなっていますが、少しだけ意識することでコントロールできる分野です。

コントロールをして少しゆっくり呼吸することもできますし、コントロールをしなくても呼吸に意識を向けるだけで「無意識さん」を感じることができます。即ち「無意識さん」と連携することができます。

私は「成長してはいけないの禁止令」から「人生脚本」を描いていましたので、その自分がいるなぁ~と、フワーッと「禁止令」に注目してみます。その時に体の反応を見ていきます。私の場合は、首・肩に力が入ってしまいます。その体の感覚に意識を向けながら、同時に呼吸にも意識を向けていきます。

ただただ、吸って~吐いて~と繰り返し呼吸に意識を向けていきます。3分~5分位は繰り返していきます。リラックスしてくると自然にゆっくりとした呼吸に変わっていきますので、吸って~吐いて~を繰り返していきます。

日常、呼吸は無意識に行っていますので、その呼吸に意識を向けていくことは、どんどん無意識さんに注目することと同じです。無意識さんに注目していくと、無意識さんは活性化されていきます。

そして、首・肩(私の場合)にも、どんな感じかなぁ?と、また、意識を向けてみます。体の反応も無意識さんが関係していますので、無意識さんが活性化していきます。

すると、フワーッと力が抜けてリラックスし、力みが抜けていきます。これで「禁止令」の「成長してはいけない(私の場合)」を思ってみて、違和感がなくなったり気にならなくなってくればOK!随分手放せています。

この呼吸法を「疲れてるな」という時に行ってみて下さい。そして「最近、疲れが軽くなってきた」となるまで、坦々と続けてみて下さい。

幼少期の感覚は自分を守るために必死でしたので、簡単な方法で手放すことができますが、繰り返しの時間は必要です。

疲れ方が軽くなると変化が現れてくれば、次は自分が望むありたい自分の「人生脚本」を描いてみます。

「楽しいことを選択する」「いろんな自分がやりたいことを選択し経験して、失敗も恐れず活かす」などなど、好きなイメージで描いてみて下さいね。

こちらは断言するよりもフワーッと描くのがコツです。すると「無意識さん」に入りやすいです。「無意識さん」はこんな感じね。と力になってくれて、自身をその方向へと導いてくれます。本来私たちは自由ですので、ワクワクする楽しい人生に描きなおしてみてね。

呼吸法だけでは難しい場合は、幼少期の「トラウマさんを解消」していくのに特化されている、大島信頼先生らが開発された「FAP療法」という方法もございますので、ご紹介させていただきます。「FAP療法」詳しくはこちら