1.  昭和の時代は、時間がゆっくりと流れていた

昔は、時間がゆっくりと流れていましたよね。

例えば、3年前に他界した私の母が20代の頃、小さな会社で事務のお仕事をしていました。その内容を聞くと、お客様のお茶出し、給料計算、電話応対が仕事だったそうです。現在ですと数時間のパートでのお仕事となり、正社員だと「それだけ???」となりますよね。その時代は、ゆっくり時間が流れていたということですね。

以前、主人はIT関係のお仕事でしたが、それでも30年以上前は、ゆっくり仕事ができたそうです。

その頃は、データのバックアップは磁気テープにしていたらしく30分程の時間がかかり、その間は待っていても良かったそうです。今は、USBメモリに1~2分もあればバックアップできます。早く済む分、他にやることが一杯増えてボーッと待っている間はなく、次々にやることがあり、はるかにストレスが多いと思います。

そんなストレスの多い時代、皆さんはどのようにストレスとお付き合いされていますか?ストレスも必ずしも悪いというものではなく、うまく付き合うことで原動力にもなりうるものです。ストレスと上手く付き合いながら原動力にしていくためには、溜めこまないというこですね。

 

2.ストレスと上手く付き合うには、ストレスの種類を知る

ストレスとどのように付き合い、上手く解消していくかということが大切ですね。  

ストレス状態が続くと緊張が高まり、疲れが蓄積されてしまいますが、その緊張や疲れに気づかない方もおられます。

感じ方には個人差がありますが、特に真面目な方は「疲れや緊張を感じてはいけない。もっと頑張らなくっちゃ」と言って自分を奮い立たせてしまいます。そのまま、突っ走ってしまうとエネルギーが切れて動けなくなってしまいます。 

まずは、自分の許容範囲を知ることが大切。

人間の疲れには、1.肉体的な疲れ 2.脳の神経系の疲れ 3.精神的な疲れの3種類ありますので、まずはどの疲れなのかぁ?と観察してみてください。                   

1.肉体的な疲れ
これは、休みの日は何もせずに睡眠時間を多くとったり、興味のある映画や本を読んだりと時間をゆっくり過ごすことで解消されるため、比較的解消しやすい疲れです。

また、食べ物の栄養から体は構成されていますので、食事についても少し振り返ってみます。ビタミン、ミネラル、食物繊維、たんぱく質、炭水化物と糖質(炭水化物と糖質は、比較的とり過ぎている場合が多いので取り過ぎに注意しながら)などバランスの取れた食事も意識していきます。インスタント食品や甘いスィーツは控えめに(^^)

2.脳の神経系の疲れ
仕事の根を詰めすぎて、思考が働かない状態。こちらも肉体的な疲れのように、休みの日には何も考えずゆっくり時間を過ごすことで、脳が休まって明日からまた取り組んで行こうと思えるようになります。また、脳の疲れは仕事が一段するとすーっと落ち着きます。

3.精神的な疲れ

単に忙しいだけではなく、精神的なプレッシャーのようなものが気になっている状態です。「納期に間に合うのか⁉」と怒鳴られることが気になり、却ってやるべきことに集中できない。

精神的に追い込まれて、何からやるといいのか?優先順位がわからない。気を遣ってしまい自分のことは後まわし。ゆっくり休息をとっても疲れが取れない。

朝、起きた時から疲れを感じている。と言った状態になってしまい自分自身に対しても「自分は能力がない」「失敗ばかりしてしまうダメな自分」など否定的な思いが湧いてきたりしていませんか。

そうなると、かなり疲れています。こちらは、単純に体を休めたり気分転換をしても気持ちが切り替わらず、解消するには時間がかかります。

このように疲れには3つの種類がありますが、1⇒2⇒3と疲れ度合が強くなっていくということですね。

自分の疲れの状態を把握しつつ、気分転換方法を多く取り入れていくといいです。自分の気分がリラックスできるものは何か?アロマの香り、スパでお風呂、その後のマッサージ、ウォーキングなどの軽い運動、エアロビのような軽快な音楽に合わせて運動するなど、自分に合ったものを見つけておきます。

次に、どの疲れであるかを把握するためにも、日頃手帳に記入しておくと参考になります。どんな仕事内容で、1、2、3のうちでどの位の疲れなのか?

自分の感覚でマックスの疲れを100として、今日は80位?50位?そうすれば、自分はどんな時にストレスを強く感じるのかが分かってきます。

そして、その疲れは単純に忙しいだけなのか?精神的に追い込まれているものなのか?なども見えてきます。

 

3.自分でできる簡単リラックス法のご紹介

リラックス法にもいろいろありますが、簡単に行えて心身のバランスを取るのに最適な自立訓練法をご紹介させていただきます。

自律訓練法は、ベルリン大学のシュルツ博士によって考案されたリラックス法(自己催眠法)の一つです。 体の各部分に心を集中することにより、心身をリラックス状態へと導き、それによって ストレスを緩和し、自律神経(内臓の働きなど、体の働きに大きく関係する)のバランスを取る方法です。

あおむけに寝転がるか楽な椅子に腰をかけて、気持ちを楽にして目を閉じます。体の各部分に気持ちを向けながら、ゆったりとした延ばし言葉で心の中で20秒~30秒程(秒数は感覚で)繰り返します。そして、各自己暗示の間に「気持ちがとてもゆったりと落ち着いている」を入れて行きます。

の各部分は、以下の6か所です。

1.腕が重ーい・足が重ーい
気持ちがとてもゆったりと落ち着いている

2.腕が暖かーい・足が暖かーい
気持ちがとてもゆったりと落ち着いている

3.お腹が温かい(胃の裏あたり)
気持ちがとてもゆったりと落ち着いている

4.心臓が規則正しく動いている、正確に動いている
気持ちがとてもゆったりと落ち着いている

5.呼吸がとても楽だ
気持ちがとてもゆったりと落ち着いている

6.額が涼しい
気持ちがとてもゆったりと落ち着いている

とても健康的な「頭寒足熱」の状態を目指します。

また、4.の「心臓が規則正しく動いている」は、初めての方はかえって気になる方もいらっしゃい ますので、暗示をせずに飛ばして下さい。自己暗示に慣れてこられた段階で4.の暗示も入れてみて気になるようなら4の自己暗示は飛ばして下さいね。

目的は、交感神経(緊張している時に優位に働いている神経)を休めて 副交感神経(リラックスしている時に優位に働いている神経)を強化しリラックスすることですので、気楽に行なうことがコツです。1、2の2か所だけでも体感されると、十分リラックス感を得ることができます。

慣れてきて、すぐに眠ってしまう場合は「気持ちがとてもゆったりと落ち着いている」 を省略したり自己暗示を短めにします。

リラックス状態で見込まれるのは(個人差がありますが)

○蓄積された疲労の軽減

○イライラが減り、穏やかな気持ちでいられる

○衝動的な行動が少なくなる

○集中力がつき、能率が上がる

○内省力がつき、前向きになりやすい

毎日坦々と続けて行い、感覚をつかんでいくことでストレスに強くなっていきます。そのために毎日習慣づけるといいので、夜眠る前にお布団やベットの中で行うといいですね。負担なく続けることができます。1と2の暗示で眠ってしまうなら十分リラックス出来ているということです。

習慣づくまでには100日と言われていますので、100日は続けてみて下さい。習慣づいてくると、電車に乗って座って周りに人がいても集中して手足の重感や温感を感じリラックスできていきます。

さらに慣れて上級者になると、電車に乗って立っている時でも、つり革につかまりながら体の緩む感じを感じたり、手足の温かさを感じたりできるようになっていきます。

これで、あなたもストレスに強くなること間違いなし。ストレスを溜めこまず心軽やかな楽しい毎日にして下さいね。