1.フロイトの口唇期を理解して、自分を責めない

ストレスを感じて「食べ始めたら止まらなくなる」といった方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか?というのも3~4年前位までの私がそうだったのです。

ストレスを感じても精神的に安定した状態で毎日を過ごすためには、自分の状態を知ることが重要なポイントになります。食べ過ぎてしまう場合は、フロイトの精神分析の発達理論「口唇期」を知ると納得ができます。

私は、緊張が高い家庭で育ったため対人緊張もあり、ストレスを強く感じると食べ過ぎてしまうことがよくありました。そのため20代の頃から、いろいろな心理療法を受けたり学んだりしてきました。

その一つにカウンセリングを学んだのですが、最初にフロイトの精神分析を知ることになりました。精神分析の発達理論において固着といった用語があります。

【精神分析的発達理論においての固着とは】

リビドー(生物学的基盤を持つ性的欲動と、人間の行動を無意識的に規定する心的エネルギーのこと)が、特定の発達段階で停滞してしまうことを固着といい、その後のパーソナリティ傾向に影響を与えてしまうというものです。

各発達段階でリビドー(性的欲動と心的エネルギー)が充足されず阻害されるというストレス体験により、固着が起こり様々な精神疾患や不適応行動となり現れてくるということです。

固着があると、成長後に心理的に処理できないような不安や葛藤を抱えた時に、固着した時期まで精神的に戻ってしまい、それを解消するために症状などによって置き換えられてしまうことがあります。私の場合は、対人恐怖や過食でした。

私はストレスを感じると、食べることで満たそうし心のバランスを取っていましたが、人によっては、アルコールや買い物依存、ギャンブルなど様々な症状が表れてきます。

食べ過ぎて止まらなくなるケースの場合、関連があると言えるのが口唇期です。

口唇期とは、フロイトの精神分析的発達理論の初期段階です。その後、肛門期・男根期・潜伏期・性器期へと発達していきます。

口唇期は、唇(くちびる)による授乳によって愛情を体験し快感を得ようとする時期です。

母親がある程度安定した精神状態で、赤ちゃんが望んだ時に喜びを持って授乳できると、赤ちゃんは充足した精神状態を体験することができます。

また、ミルクのタイミングがズレたり母親の精神状態がよくないと赤ちゃんにもその感覚は伝わります。すると、満たされない状態になり「指しゃぶり」で、ある程度満足させようとします。指しゃぶりで満たされればいいのですが、満たされないとストレスホルモンが分泌されていきます。

このようにリビドーがこの時期に満たされていないと、大人になってストレスに対応できない状況になると、症状など(過食やアルコール、ギャンブルなどの依存症)に現れてくることが多いです。

私の場合、母は後妻でしたので、私を産んだ時は不安で一杯でした。なので、口唇期の固着が起きていたというフロイトの理論にピッタリときたわけです。納得することでまずは落ち着きますので、自分を責めずにすみます。

2.ストレスが何なのかを知る

私の場合、母の不安から口唇期が満たされていないことで、その時に満たされなかったものを無意識のうちに追い求めてしまいます。

ストレス状態になると、口唇期に満たされなかった愛情を別の形で満たそうとして食べ過ぎてしまうことがわかりました。では、次にどんな時にどんなことでストレスを感じるのかを注目してみます。

自分を知ることで生き方を選択できるようになりますので、不健康になるリスクを含む解消方法ではなく、自分に合ったより心地よいストレスの解消方法を選択できるようになっていきます。

【ストレスを見つけるポイントは、人間関係のストレスが多い】

よく考えてみるとストレス状態は、対人関係でのストレスが多いと思います。

例えば、もし仕事でミスをした場合、上司や周りが上手くフォローしてくれて、経験値として活かすことができれば、ストレスはミスをした一時で治まっていきます。周りが「何やっているの」と冷たい視線で、上司もフォローできずに感情的にイライラをぶつけてくるなら高ストレス極まりないです。

つまり、ミスそのものがストレスではなく、人間関係がストレスですよね。このような場合「上司にきつく言われたら嫌だな」とか「周りの冷たい視線が嫌だな」と反応すればする程、そのような雰囲気になってしまいます。

落ち着いて、反応しない状態になればいいということですが、それは難しいものです。その辺りが「トラウマさんの影響からの反応」の可能性が高くなりますので、FAP療法(ver.15)で解消しちゃうのも一つの方法です。

【トラウマさんとは】

災害などの大きな衝撃的なストレスから起こり得るものですが、幼少期の満たされない感覚から緊張状態が持続することによっても起こってしまいます。

話が逸れてしまいましたが、人間関係のストレスには、いろいろなケースがあると思います。私の場合、対人関係においてのストレスは、自分の思ったことを伝えたりすることが非常に難しかったことです。

伝える以前に人に会うと緊張するということが条件反射になっていましたので、緊張して自分の考えや感覚を感じ取ることができず、ただ人に合わせるだけで精一杯でした。

自分の感覚を感じるためにも自分を責めないで「緊張してストレスを感じると食べ過ぎるけど、何がストレスだった?」と、自分の心に問いかけてみます。その時に「心に聞く」と言う方法で聞いていくと、無意識さんの本来の心の声に耳を傾けることができます。

3.FAP療法で無意識さんにアクセスし自分の本心を知る

「心よ」という言葉を付けて聞いていくと、無意識さんにアクセスするキーワードとなり、本心を感じ取ることができるようになります。

例えば、「心よ。今何のストレスを感じて反応(食べ過ぎ)しているの?」とか「心よ。今食欲のコントロールが効かないけど、何のストレスがあったの?」と言った感じ聞いていきます。

聞いていきながら、浮かんできた感覚を大切にしていきます。私の場合、聞いていくと自分の思いが伝えられなかったことに気付きましたので、次に「心よ。その時は、何て言いたかったの?」とさらに聞いていきます。

すると、その時は友人よりお花見に誘っていただいていたのですが、気分的に重だるくお断りしたかったところを「行く」と返事をしていました。日程はあいているのに行けないというのは、私にとって至難の業だったのです。

しかし、心に聞いていくと無理をして合わせてしまうことが折角誘ってくださった友人に失礼になるのでは、という答えを感じ取り、その次のランチのお誘いは、「残念だけど、都合が悪くて折角お誘いしてくれたのだけどごめんね」とお断りするようになりました。

都合が悪いというのは、用事の都合だけではなく、誰でも気持ちの都合があることに気付きました。

お誘いはとっても嬉しくても、気持ちが乗らない時ってありますよね。気持ちの都合があるんだと思うと、お断りする時の罪悪はなくなりました。心に聞きながら辿り着いた私なりの答えでした。

「心よ」と聞いていくのは簡単なのですが、感覚的なものですので分かりにくい方は、こちらも参照下さい。

 

4. 無意識さんにアクセスし何を伝えたかったのかを整理してみる

 

先程の場合は、お断りするという答えに辿り着きましたが、また別のケースでは「心よ」と聞いていき何を伝えたかったのかを整理してみました。

以前のことですが、その頃は人間関係について些細なことで悩んでいましたので、よく覚えています。(笑)

友人と名前の話になった時、友人の名前がよくある名前で「どこにでもある名前よね」と否定的に言ってしまったのです。それに対して、別の友人が「そんなことないよね」と、私の方を見て言いました。

何で、友人のお名前に否定的に言っちゃったのだろう?と思い「心よ。どうして否定的に言っちゃったの?」で聞いていきました。

すると、私は、自分の名前があまりない名前なので、自分の名前に対して否定的に思っていたのでした。自分に対して否定的に思っていたことに気付くと、友人の名前が羨ましいと思ったことにも気付きました。そのことに気付かずその場では「どこにでもある名前」と言ってしまったのでした。無意識さんが暴走しちゃったようですね。(笑)

そんな些細なことが気になり、頭から離れなくなり(今思えば、これもトラウマさんの影響だったんですよね)そんな時には、食べ過ぎて止まらなくなってしまいました。

その後、次に友人と話す機会があれば「○○さんのお名前、女性らしくていいなと思っていたのよね」と伝えようと思い、その後伝えてみました。

友人は笑顔で「そうなの」と言ってくれて、お互いにいい関係性を保つことができました。(今は引っ越したので、その友人とは離れることになりましたが)

ちょっとしたことなので、気にする自分が嫌になってしまいますが、気になっていることを認めると落ち着いていきます。

落ち着くと、後日伝えることもできるんですよね。後から整理して伝えることもできると思うだけでも安心することができます。

但し、伝える時は肯定的な答えが出た時だけにしますよ。気持ちが納まらず文句を言おうといった時は、気持ちが納まるのを待って下さいね。文句を言っても理解してもらえませんので、さらにストレスになることは避けて下さい。

長い間、緊張することを気にして思いを伝えるというスキルを身に付けてきませんでしたので、その場で自分の気持ちを整理し適切に伝えると言うのは、私にとっては難易度が高いです。(笑)少しずつ整理していけばいいと思っています。

また、日本では、コミュニケーションは察するという文化がありますので、自分の思いを適切に伝えるというのは本来難しいものです。

察してもらうことを期待して、もめ事がよく起きています。察するのを減らしていきながら(できれば、やめて)、整理して肯定的に伝えることができるのなら、人間関係のトラブルはかなり減ると思います。

自分の思いを伝えて、心地良い人間関係を築いて楽しい人生にしちゃいましょう。