1.催眠療法との出会い

 

私は、幼少期から母親の機嫌を窺いながら育ってきたため、他者に対しても自然に振る舞うことができませんでした。常に母親と同じように他者の機嫌も窺い、「嫌われているのではないか」「嫌われたらどうしよう」とビクビクしながら接していました。

このような人生を自由なものへとシフトさせたいと思い、17歳頃から様々な取り組みを始めました。きっかけは「引っ込み思案はこれで治る」(絶版になっていました)という本との出会いです。

自分で行うリラックス法を書籍から学び毎日実践しましたが、人前では相変わらず緊張してしまいました。そんな中で出会ったのが催眠療法です。

催眠療法は無意識(潜在意識)の領域に働きかけるもの。私たちは意識しているようで実は多くの行動を無意識に行っており、緊張も自分では意識的にコントロールできない領域にあったのです。

実際に受けた催眠はとても心地よく、深いリラックス状態で前向きな暗示をかけていただき、自分が変わったと感じました。完全に対人緊張が治ったわけではありませんが、かなり楽になり、この療法に興味を持って20代の頃に催眠療法講座を受講しました。

その後、受講したセッションルームでインターンから助手を務め、仕事にもつながりました。

 

2.催眠療法の内容とその後

 

クライアントさんを担当する中で、暗示療法は特にネガティブな感情の影響が比較的浅い方にはとても効果的でした。

当時行っていた暗示療法は、クライアントさんが納得している部分に対して催眠状態で暗示を活用し、無意識に残る古い反応パターンを変換していく方法です。

暗示療法について(ご自身で行えます)

実際の暗示療法では、深いリラックス状態へと誘導します。日常生活でも浅い催眠状態を体験しており、その状態でも暗示効果があるので、ぜひ試してみてください。

日常でも体験している催眠状態は、お風呂に浸かっている時、眠る前のウトウトしている時、電車に揺られている時などのリラックスした状態です。そんな時に以下の暗示を心の中で唱えてみます。

人に対して緊張する場合の暗示

  • 「人は自分が思うほど、自分のことを気にしていない」
  • 「自分の頭に浮かんだことを自然に言葉にしてみる」
  • 「そのままの自分で十分」

「やるべき」や「やらなければならない」など、完璧主義に悩んでいる方への暗示

  • 「自分が失敗と思っても、案外大したことではないかもしれない」
  • 「完璧にしなくてもいいのかもしれない」

完璧主義の方には「かもしれない」という言葉を付け加えると抵抗が少なく受け入れやすくなります。

幅広く有効な暗示

  • 「どんな自分も許します」
  • 「全ての自分を許します」

失敗したときに自分を責めると緊張が高まりますが、「自分を許します」と言う言葉で力が抜けリラックスします。

(※2024年10月より設定している「人生シフトチェンジしっかりコース」でご案内している「暗示療法」とは異なる方法です)

その後の人生と学び

暗示療法はトラウマが強い方には効果が限られていたため、さらに学びを深めたいと思っていましたが、結婚を機に一旦セラピストの仕事を中断しました。

最初の結婚は6年で終わり、自分をしっかり持つことの重要性を学びました。離婚後、再び心理の仕事に戻り、その後、現在の夫と出会い再婚しました。

再婚後は、以前から取り組み休学していた通信制大学への復学、産業カウンセラーや精神保健福祉士の資格取得と学びを続けました。また、以前の催眠療法とは異なるヒプノセラピーを学ぶ機会を得ました。

ヒプノセラピーについて

特に習得したかったのは「年齢退行」「前世療法」「暗示療法」です。

年齢退行では、成長過程で傷ついた心を癒します。

前世療法は、さらに前世まで見ていくもので、私の場合は、母親との関係性の癒しを深めることができました。

暗示療法は、目標達成のための後押しとなり、目標の達成に向けて無意識がサポートしてくれます。

2024年10月より始めた「人生シフトチェンジしっかりコース」では、暗示療法とイメージ療法(GIFT⇒ゴール・イメージ・フォーカシング・テクニック)を取り入れています。